白浜は、中世東国の太平洋海運にとって極めて重要な地であった。 里見氏が安房に来る前から、関東管領上杉氏が太平洋の海上交通を押さえる拠点にしていた。 そのため、鎌倉公方足利氏と関東管領上杉氏が対立した享徳の乱において、 安房地方を上杉氏から奪うために公方派から送り込まれたのが、房総里見氏初代の里見義実である。 そして、義実が最初に拠った城が白浜城だと考えられている。
その後、稲村城が安房支配の拠点となってからも隠居した里見義通が白浜城に入り、 稲村城の義豊を支える重要な役割を持ったようである。
白浜城は、太平洋に面した標高140mの山頂を中心に築かれた城である。
城域は東西1km、南北400m以上にわたる。
南側は海に面した急峻な崖となっており、北側は長尾川の支流によって浸食を受けた緩傾斜となっているため、 腰曲輪を幾重にも巡らして防御している。
車を山麓に停め、「じょう山展望台入口」から入ると早速、岩肌剥き出しの巨大な堀切に驚かされた。 今まで登城した中でも(といっても100城もまわっていないが…)屈指の大迫力であり、非常に満足できた。
下山後、どこに駐車したかわからなくなり、1時間以上もさまよい歩くこととなった…
おかげで白浜城は東西にかけて非常に長いことが身を持ってよくわかった。